それはそれで君は君で

ゆっくりと時間は流れ、人びとは忙しさを忘れていた。

そのうち1日という概念がなくなって、ついには時間という概念がなくなった。

年をとることもなくなって、細胞は生まれながらにして役目を終えた。

時間が消えたことで期限が消えた。

やるべきことはどこかへふわりと飛んでいって意識は宙を舞った。

ああ、わたしは宇宙の綿毛となったのだ。

消えた意識のなかで、大きく息を吐いた。

 

TVピープル (文春文庫)

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ばいちゃす(●´ω`●)